海の中ではたくさんの生き物が深く関わり合いながら暮らしています。
食う喰われる関係もあれば、お互いに支え合う関係もあります。
今回はそんな「共生」の話。
共生とは読んで字のごとく「共に生きる」こと。
ただ、仲良く一緒にいることだけが共生ではありません。
共生には大きく分けて主に3つのタイプがあると言われています。
ちょうどいい例がジャーマンチャネルにありました。
①片利共生
マンタにはよくコバンザメがついていますね。
コバンザメはマンタにくっついて楽に安全に移動することができる上に排泄物などを食べるのでご飯も楽に手に入ります。
でもマンタからしたら特にメリットもデメリットもなし。いてもいなくてもマンタには影響ありません。
片方にしか利益がないのでこれを「片利共生」と言います。
②寄生
マンタに付くのはコバンザメだけではありません。
寄生虫が身体につくこともあります。
寄生虫はマンタから栄養をもらったり体内に入り込んで成長したり。
マンタからしたらメリットがないのはもちろん、むしろ健康に害をもたらす可能性もある嫌な存在。
片方に利益があり、もう片方には不利益がある共生関係を「寄生」といいます。
③相利共生
そして、そんな寄生虫を取り除いてほしいマンタはクリーニングステーションに訪れます。
そこには寄生虫を食べてくれるベラやチョウチョウウオなどのクリーナーフィッシュがいます。
クリーナーフィッシュにとってはエサを持ってきてくれるありがたい存在のマンタ。
マンタにとっては寄生虫を取ってくれるありがたい存在のクリーナーフィッシュ。
お互いに利益があるのでこの関係は「相利共生」と呼ばれています。
厳密に言うと他にも共生関係と言えるものがあります。
食う喰われる関係の「捕食関係」
エサを奪い合ってお互いに不利益を被る関係の「競争関係」
一緒にいるけどお互い損も得もしない関係の「中立関係」
これらも全て含め「共生」と呼ばれます。
みんな関わり合いながら生きているのです。
ヒトと海の生き物たちが相利共生になれるといいですね。
Akira